マルタ共和国のドローン規制を徹底解説|観光客も注意すべき独自ルール

マルタ共和国のドローン規制のサムネ
おしんちゃん

マルタ共和国のドローン規制は独特なルールがあるの?

とっくり

代表的なものだと、高度制限が他国よりも低い、などがあるよ

マルタのドローン規制について
  • マルタのドローン規制は全域で許可申請が必要で、高度60m制限や保険義務など独自の厳格ルールがあります。
  • 日本と比べると、250g未満も対象となり高度制限も厳しいため、マルタの方が規制は厳格です。
  • ライセンス取得は筆記試験中心で制度は整っており、難易度は中程度といえます。

※本記事は、2025年9月時点の情報を参考に作成しています。

マルタ共和国のドローン規制を管轄する機関と適用法

マルタの画像

 

マルタ共和国では、EU共通ルールに基づいてドローンの飛行が規制されています。

ただし国土が狭く全域が管制空域に指定されているため、他のEASA加盟国よりも厳格な点が特徴です。

管轄機関

マルタにおけるドローン規制の管轄機関はTM-CAD(Transport Malta Civil Aviation Directorate)であり、主な以下の役割を担っています。

  • ドローンのオペレーター登録と管理
  • ライセンスの発行・試験の実施
  • 違反行為の監督および罰則の執行
  • 飛行許可の審査と承認

TM-CADの連絡先

住所Transport Malta – Civil Aviation Directorate, Pantar Road, Lija LJA 2021, Malta
連絡先Tel: +356 25555412 / Email: civil.aviation@transport.gov.mt
公式サイトhttps://www.transport.gov.mt/

適用される法律と規則

マルタでは国内法とEU共通規則の両方が適用されます。

 

区分名称内容
国内法航空法(Air Navigation Act, ANA)マルタ国内の航空運用全般を定める法律
EU規則委任規則(EU)2019/945ドローン機体の要件やクラス識別ラベルを規定
EU規則実施規則(EU)2019/947ドローン操縦者の登録、資格、飛行ルールを規定

マルタ独自の上乗せ規制

マルタでドローン飛行を行う際、以下の規制が上乗せされます。

  • すべての飛行にTM-CADの許可が必要
  • 高度制限が厳格(自動承認は60mまで)
  • 観光客を含むすべての操縦者に登録と保険加入を義務化

 

とっくり

他のEASA加盟国と異なる点に注意が必要です

マルタ共和国におけるオペレーター登録とドローン登録のルール

ドローンを操る男性の画像

オペレーター登録の概要

マルタでドローンを飛行させるには、まずオペレーター(所有者)としての登録が必要です。

観光客を含めて登録が求められ、対象年齢も定められています。

 

登録義務250g以上のドローン、またはカメラ・マイク付きの機体
登録不要玩具扱い、250g未満かつ録画機能なし
対象年齢原則16歳以上(ただしEASA規則に基づき、各国の裁量で14歳まで引き下げ可能。マルタはEU基準に準拠)
登録先TM-CAD公式ポータル(tmcad.idronect.com)
必要書類個人情報、保険証書のアップロード
費用年会費25ユーロ
登録証明UASオペレーター番号・証明書・QRコード
更新毎年更新が必要
  • 16歳未満は基本的にオペレーター登録不可(保護者や組織を通じて登録が必要)
  • TM-CAD公式ポータルでアカウント作成と支払いを行う
  • 登録番号またはQRコードを、所有するすべてのドローンに貼付
  • 観光客も含め、登録と保険証書の提出を行わなければ飛行できない

オペレーター登録の流れ

オペレーター登録の流れの画像

ドローン登録の概要

オペレーター登録に加えて、機体そのものの識別と登録も欠かせません。

飛行中のドローンがどのオペレーターに属しているかを確認でき、万一の事故や違反時にも追跡が容易になります。

 

登録対象オペレーターが保有するすべての機体
登録方法取得したUASオペレーター番号またはQRコードを貼付
リモートID対応登録番号をシステムにアップロードする必要あり
複数機体すべての機体に番号を明示
違反時未登録機体として飛行停止・罰金対象になる可能性あり
  • 各機体に登録番号またはQRコードを明示する義務あり
  • リモート識別を使用する場合は、登録番号を事前にシステムへ反映
  • 未登録の機体は「不明機」と見なされ、飛行許可が下りない
  • 違反が確認されるとペナルティの対象になる

ドローン登録の流れ

マルタではドローン本体の登録義務はなく、オペレーター(所有者)の登録が中心となります。

ただし以下の手続きが事実上「機体紐付け」として必要です。

ドローン登録の流れの画像

ドローン保険加入の義務

ドローンを操縦する男性の画像

 

マルタ共和国では、ドローンを飛行させる際に第三者賠償責任保険への加入がすべての操縦者に義務付けられています

 

加入義務重量・用途に関わらずすべてのドローンに適用
保険の種類第三者賠償責任保険
適用範囲レクリエーション・商用いずれも対象
保険証明登録時にアップロードが必要、飛行時は携行推奨
確認方法法執行機関が現場で確認する場合あり
未加入時の扱い飛行許可が下りない、違反時は罰金対象

マルタでは、登録時には有効な保険証書をtmcad.idronect.comに提出する必要があり、さらに飛行中も保険証明を携行しておくことが安全策とされています。

観光客も例外ではなく、短期滞在であっても保険契約を済ませたうえで飛行しなければなりません。

マルタのドローン規制に対応可能な日本の保険会社

以下の表は、マルタの規制要件を満たす可能性が高い日本の大手保険会社です。

 

企業名最大補償金額特徴
東京海上日動火災保険個人契約で約1億円、法人契約拡張で
最大10億円程度まで対応可能
ドローン専用賠償責任保険を提供。操縦者の資格取得を条件に、第三者への賠償や物件損壊を幅広くカバー。海外飛行証明として利用されるケースあり。
SkyLink Japan公表額はプランによるが、
数千万円〜数億円規模の補償が可能
航空・機体損害・賠償責任を含む保険を扱う大手。法人・団体向けの特約で海外飛行の適用可否を調整できる。

実際にマルタでドローンを飛行させる際には、契約した保険が海外でのドローン飛行に適用されるかの確認が重要です。

また、保険証書はtmcad.idronect.comでの登録時に提出が求められるため、英語版を取得しておくと手続きがスムーズになります。

 

とっくり

飛行中も保険証明を携行し、万一の検査に備えることが安全策となります

レクリエーション飛行におけるドローンのカテゴリー

ドローンの画像

 

マルタ共和国では、EU規則2019/947に基づき、レクリエーション目的の飛行は 「オープンカテゴリー」 に分類されます。

オープンカテゴリーはリスクの低い飛行を対象としており、観光目的でドローンを飛ばす場合も、ほとんどがオープンカテゴリーに該当します。

 

サブカテゴリ飛行条件機体要件主な制限
A1人の上を飛行可能(人混みは不可)C0またはC1ラベル、または250g以下プライバシー配慮必須
A2人に近接して飛行可能C2ラベル(500g~2kg)受験者は追加トレーニング・試験合格が必要
A3人や住宅地から十分に離れて飛行C2~C4ラベル(最大25kg)人から150m以上離れた空域

オープンカテゴリーは、重量や飛行環境に応じてA1・A2・A3に分かれており、A1は市街地や人の上でも比較的自由度の高い飛行が可能ですが、人の集まり上空は禁止です。

A2は人に近接して飛行できますが追加トレーニングや試験合格が必須となり、A3は人や建物から十分に距離を取った広い場所でのみ飛行できます。

ライセンスと試験の概要

カテゴリー必要資格試験内容最低年齢有効期限
A1/A3オンライントレーニング
修了証明書
理論試験(40問・75%以上合格)/試験時間60分16歳以上(EASA基準)5年間
A2リモートパイロット
能力証明書
追加理論試験(30問・75%以上合格)、自己申告による実技研修16歳以上(A1/A3資格必須)
C1〜C4クラスの機体リモートパイロット
証明書必須
TM-CADオフィスでの受験、CCTV監視下16歳以上

A1/A3カテゴリーでは、軽量ドローンや人から離れた場所での飛行を対象に、基礎的な理論試験が求められます。

受験はオンラインで予約し、TM-CADオフィスで行われ、40問の多肢選択式問題に75%以上正答する必要があります。

A2カテゴリーでは、人に近接した飛行を可能とするため、追加理論試験と自己申告による実技研修が必要です。

 

とっくり

いずれの資格も原則16歳以上から受験可能で、資格の有効期間は5年間となり、更新時には再試験や研修が課されます

マルタ共和国の主なドローン飛行ルール

ドローンを操る画像

 

マルタ共和国では、EU共通ルールに基づいた飛行制限に加え、国土の特性から独自の厳格なルールが設けられています。

 

飛行高度自動承認は最大60mまで(EU標準120mより厳格)
飛行時間日の出30分前〜日没30分後のみ
No-Flyゾーン空港・ヘリポート・大使館・発電所・病院・刑務所・自然保護区など
FPV飛行観察者(UAオブザーバー)の同伴が必須
ドローンレース観客なし=オープンカテゴリー/観客あり=特定カテゴリー許可が必要
リモートID2024年以降、搭載必須(モジュールでの対応も可)

マルタのドローン飛行高度は自動承認で60mまでに制限され、さらに飛行可能時間も日の出前後に限定されます。

首都バレッタや観光地周辺は人口密度が高いため、空港や発電所、病院などの施設はすべて飛行禁止エリアとして明確に定義されています。

また、FPV飛行は必ず補助者の同伴が必要であり、ドローンレースも観客の有無によってカテゴリーが変わります。

 

とっくり

2024年以降はすべての機体にリモート識別の搭載が義務化されている点も大きな特徴です

日本人はマルタでドローンを飛ばせるのか

女性の画像

マルタ共和国は観光客にも人気の高い国ですが、日本人を含む外国人がドローンを飛ばす場合も、現地の操縦者と同じ規制が適用されます

観光目的であっても、事前にオペレーター登録と保険加入を済ませ、飛行許可を取得する必要があります。

また、滞在期間に応じて登録方法や費用が異なるため、旅行前の準備が重要です。

  • 観光客もオペレーター登録が必須
    -EASA UASオペレーター番号を持っている場合は、3か月間有効な簡易登録(10ユーロ)を選択可能
    -初めての場合は、通常のオペレーター登録(25ユーロ)が必要
  • 保険加入が必須
    -第三者賠償責任保険を契約し、証書をtmcad.idronect.comでアップロード
    -未加入では飛行許可が発行されない
  • リモートパイロットライセンスが必要
    -カテゴリーA1/A3の基礎資格が基本
    -機体や飛行条件によってはA2資格が求められる
  • 飛行許可を事前申請
    -日時・場所・機体情報を入力して申請し、承認を得てから飛行可能
    -高度制限は60m、No-Flyゾーンを厳守する必要がある

 

とっくり

観光目的でも準備が不足すると飛行できないため、渡航前に十分な手続きを進めておくことが求められます

日本からマルタへドローンを持ち込む際の注意点

日本からマルタへドローンを持ち込む場合、飛行前に準備すべき手続きや注意点があります。

 

事前登録tmcad.idronect.comでオペレーター登録を完了しておく必要あり
保険証明第三者賠償責任保険の契約証書を必ず携行
税関での申告機体のシリアル番号や所有者情報を申告する場合あり
航空会社対応バッテリーは手荷物で運搬、数量制限に注意
リモートID2024年以降は搭載必須、外付けモジュール対応も可
飛行許可現地到着後、飛行日時・場所を指定して申請が必要

日本からマルタへドローンを持ち込む際は、出発前にtmcad.idronect.comでオペレーター登録を済ませ、保険証書を用意しておきましょう。

また、航空会社によってバッテリーの持ち込み制限が異なるため、事前に確認しておく必要があります。

さらに、2024年以降はリモートIDの搭載が必須となり、未対応機体の場合は外付けモジュールを準備しなければなりません。

 

とっくり

これらの手続きを怠ると、マルタでの飛行許可が下りない可能性があります

マルタ共和国のドローン規制に違反した場合の罰則

違反した際の画像

 

マルタの公式資料では具体的な罰則額や刑罰の詳細は明示されていませんが、EU加盟国として共通する考え方に基づき、重大な違反行為には厳しい対応が取られると考えられます。

EASAルールに近いイタリアやフランス、スペインの事例を参考にすると、マルタでも同様のペナルティが適用される可能性があります。

 

違反例想定される罰則例
オペレーター登録や保険未加入での飛行500〜1,000ユーロの罰金、飛行停止命令
No-Flyゾーン(空港・大使館・発電所など)での飛行2,000ユーロ以上の罰金、機体没収
リモートID未搭載での飛行(2024年以降)1,000ユーロ前後の罰金、飛行禁止処分

特に空港や発電所などの制限区域での飛行は、EU各国同様に重大な航空法違反と見なされ、高額な罰金や機体没収が科される場合があります。

また、2024年から義務化されたリモートIDを搭載していない機体の飛行も罰則対象となりやすく、観光客であっても例外はありません。

 

とっくり

違反内容によっては、再入国時のチェック強化や刑事責任が問われるリスクも考えられるため、規則を遵守した運用が必須です

マルタ共和国における独自の規制ポイントまとめ

マルタ共和国のドローン規制は、基本的にEU共通のEASA規則に準拠しています。

しかし、国土が狭く観光地が集中している事情から他の加盟国よりも厳格な独自ルールが設定されているため、事前に理解しておくことが重要です。

  • 国全域が管制空域
    -すべての飛行に対してTM-CADへの事前申請と許可が必須
  • 飛行高度制限が厳格
    -自動承認は60mまで(EU標準120mより低い)
  • 全面的な保険加入義務/strong>
    -250g未満の軽量ドローンも含め、第三者賠償責任保険が必須
  • 観光客向けの短期登録制度
    -EASA登録済みなら10ユーロで3か月、未登録なら25ユーロで通常登録
  • リモート識別の全面義務化
    -2024年以降はすべての機体にリモートIDを搭載、外付けモジュールも可

 

とっくり

日本から訪れる場合も、登録・保険・飛行許可・リモートIDをしっかり整えておくことで、安全かつ合法的に空撮を楽しむことができます


▼参考URL

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