ドローンを飛ばす際、「毎回、国の許可を取るのは手続きが複雑で大変だな」と感じたことはありませんか?
実は、紐などで機体をつないで飛ばす「係留(けいりゅう)」を活用すれば、面倒な申請手続きを大幅にカットできる可能性があります。
今回は、ドローンの係留についての基本的なルールから、申請がいらなくなる具体的なケース、そして意外と知られていない「スライド環」を使った方法まで、国土交通省のガイドラインに基づいて詳しく解説します。
※本記事は、2025年11月時点の情報を参考に作成しています。
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ドローン係留の定義|30m以内の紐で固定する飛行方法

まず、ドローンの係留における飛ばし方をを確認しておきましょう。
簡単に言うと、地面などの固定された場所とドローンを丈夫な紐でつないだ状態で飛ばすことであり、犬を散歩させるときにリードをつけるのをイメージすると把握しやすいかもしれません。
国土交通省のガイドラインでは、以下の条件を満たすものを係留飛行としています。
- 紐の長さ:30メートル以内である。
- 紐の強度:ドローンの力に負けて切れたりしない、十分な強さがある。
- 固定場所:地面や柵、手すりなど、動かない場所にしっかり固定する。
なお、法律上の定義は「十分な強度」ですが、実務上は紐がたるんでプロペラに巻き込まれないよう、常にピンと張った状態(テンション)を保てる専用のリール装置などを使うのが推奨されています。
上記の条件を満たすことで、物理的に飛べる範囲の安全性が担保されます
ドローン係留のメリット|許可・承認が不要になる5つの飛行

ドローン係留のメリットは、特定の危険な飛行に関する国の許可・承認が不要になる点です。
通常、リスクがある飛ばし方をする場合は事前に申請が必要ですが、係留によって安全が確保されているとみなされ、以下のケースで手続きが免除されます。
| 許可・承認が不要になる飛行 | 具体的なシーンの例 |
|---|---|
| 人口集中地区(DID)での飛行 | 街中や住宅地など、人が多く住んでいるエリアの上空 |
| 夜間飛行 | 日没後の暗い時間帯に行う空撮や点検 |
| 目視外飛行 | 建物の裏側や、モニターを見ながらの操縦 |
| 第三者・物件から30m未満 | 関係ない人や建物、車などに近づいての飛行 |
| 物件投下 | ドローンから農薬や荷物などを落とす行為 |
係留を活用した場合、ビジネスや趣味での飛行のハードルがぐっと下がります。
ただし、あくまで申請が不要になるだけであり、周囲の安全確認を怠ってよいわけではない点には注意しましょう
ドローン係留の必須条件:立入管理措置

ドローンの係留飛行は、紐をつければOKではありません。
許可を不要にするためには、係留に加えて立入管理措置による安全対策をセットで行うことが義務付けられています。
- 立入禁止区画の作成係留したドローンが届く範囲(紐の長さの範囲内)に、第三者が入らないよう看板やコーン(パイロン)を設置して明示します。
- 補助者の配置状況に応じて監視役(補助者)を配置し、人が近づいてきたら口頭で注意できるようにします。
- 器具の日常点検使用する紐やワイヤーが劣化していないか、使用前に必ず点検を行います。
また、係留して自動操縦を行う場合、立入管理措置ができていれば操縦者がそばを離れることも認められていますが、不測の事態に備えて責任者の連絡先を現場に分かりやすく掲示しなければなりません。
ドローン係留でも許可が必要なケース|空港周辺やイベント上空

係留していれば、どのような場所・方法でも自由にドローン飛行できるわけではありません。
たとえ係留していても、危険度が極めて高い以下のケースでは、必ず国の許可が必要になります。
- 空港などの周辺:飛行機と衝突する恐れがあるため原則禁止です。
- 緊急用務空域:災害時など、救助活動が行われている空域です。
- 高度150m以上の飛行:航空機の航行の安全に関わる高さです。
- 催し場所(イベント)上空:お祭りや花火大会など、多数の人が集まる場所の上空です。
- 危険物の輸送:火薬類などを運ぶ場合です。
人が集まる場所で飛ばす際は、係留の有無に関わらず慎重な判断が求められます
ドローンの係留に関するQ&A

Q. 高い建物の点検をしたいのですが、30mの紐では届きません。どうすればいいですか?
A. 「主索(しゅさく)」と「連結索(れんけつさく)」を使い分ける方法があります。

高いビルや橋の上から下まで長いロープ(主索)を垂らし、「スライド環」と呼ばれる金具を通してドローンをつなぐ短いロープ(連結索)を接続します。
この場合、30メートル以内の制限がかかるのは「ドローンをつないでいる短いロープ(連結索)」だけあり、長い主索を使えば高層部の点検も可能です 。
Q. 自動車や自分自身の腰に紐をつないで、移動しながら飛ばすのは係留になりますか?
A. いいえ、係留とは認められません。

車や船、あるいは人など、移動するものに紐を固定して引っ張りながら飛ばす行為は「えい航」と呼ばれ、係留飛行の特例には該当しません 。
係留と認められるのは、あくまで「動かない場所」に固定した場合だけです
Q. 係留していれば、150m以上の高さでも許可がいらないケースがあると聞いたのですが?
A. はい、建物のすぐ近くであれば不要になることがあります。
通常150メートル以上は許可が必要ですが、ビルや鉄塔などの「物件」から30メートル以内の範囲であれば、たとえ高度が150メートルを超えていても許可なしで飛行できます。
係留しているかどうかに関わらず適用されるルールですが、高層ビルの点検などで係留飛行とセットで使われることが多いです
Q. 釣り糸やロープを自作してもいいですか?
A. 強度は必須ですが、巻き込み事故に注意が必要です。
十分な強度があれば材質に決まりはありませんが、紐がたるむとドローンのプロペラに絡まる危険があります。
安全のためには、自動で紐を巻き取って常にピンと張ってくれる(テンションを保つ)専用の係留装置を使うのがおすすめです
ドローン係留のルールを守って安全・効率的な運用を
ドローンの係留飛行とは、30m以内の紐で機体を固定し、飛行範囲に制限をかけて安全性を確保する方法です。
人口集中地区や夜間飛行などの許可申請が不要になる大きなメリットがありますが、空港周辺やイベント上空では許可が必須であり、立入管理や紐の点検といった義務も伴います。
ルールを正しく理解して、安全かつ効率的にドローンを活用しましょう。
- 係留飛行とは、固定点とドローンを30m以内の十分な強度の紐でつないで飛ばす方法です。
- 係留する場合、人口集中地区や夜間、目視外飛行などの許可・承認申請が不要になります。
- 許可を不要にするには、看板やコーンで第三者の立ち入りを防ぐ「立入管理措置」が必須です。
- 空港周辺やイベント上空、高度150m以上では、係留していても国の許可が必要です。
- 安全のため、使用する紐やワイヤーは飛行前に必ず点検し、切断リスクを防ぐ必要があります。
▼参考URL
- 国土交通省:無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール
- 国土交通省:無人航空機の安全な飛行のためのガイドライン
- 国土交通省:航空法施行規則の一部改正を実施しました!(係留飛行の緩和について)
- 国土交通省:ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)
- 総務省:ドローン等に用いられる無線設備について
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