「ドローンを飛ばしたい場所の近くに空港があるけど、一体どこまでが飛行禁止空域なんだろう?」
「地図上で規制エリアの『緑色の円』に入っていても、高さ制限さえ守れば許可申請は本当に不要なんだろうか?」
ドローンの利活用が広がる一方で、空港周辺での飛行には多くの疑問と大きな不安がつきまといます。
特に航空機の安全を最優先とするエリアでは、少しの知識不足が法律違反や重大な事故に直結しかねません。
今回は、国土交通省の最新情報に基づき、空港周辺におけるドローンの許可、申請、規制、飛行禁止エリアなどを、丁寧に解説します。
安全かつ適法にドローンを飛行させるために、特定8空港の厳しいルールから、小型無人機等飛行禁止法といった二重規制まで、操縦者が超えるべき壁を一つひとつ確認していきましょう。
※本記事は、2025年11月時点の情報を参考に作成しています。
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ドローン操縦者が知るべき!空港周辺の飛行規制の常識
ドローン操縦者にとって、航空機の安全な運航を守るための空港周辺の規制は重要かつ複雑なルールの一つであり、特別な飛行禁止空域として指定されています。
航空法で定める飛行禁止空域とは?
ドローンの飛行禁止空域は、航空機に衝突する危険がある空域や、落下した場合に地上の人や物に危害が及ぶ可能性が高い空域です。
飛行禁止空域は、たとえ自身の私有地であっても、国土交通大臣の許可なしにドローンを飛ばすことはできません
空港・ヘリポートの安全を守る制限表面の三次元の壁
空港周辺の規制空域は、単純な平面ではなく、高さの概念を含む三次元の空域です。
航空機の安全を確保するため、空港には制限表面と呼ばれる目に見えない壁が設定されています。
制限表面にはいくつかの種類があり、ドローンを含む物件が既定の高さを超えることが禁じられています。

つまり、制限表面より低い空域であれば、許可申請が不要となる場合がある仕組みです
特定8空港の規制は特別に厳しい!高さ制限以下の飛行も原則禁止
全国の空港の中でも、以下の特定8空港では規制が一段と厳しくなります。
- 新千歳、成田国際、東京国際(羽田)、中部国際、関西国際、大阪国際(伊丹)、福岡、那覇
進入表面・転移表面の下、および空港敷地内では、高さに関わらず地表からすべて飛行原則禁止です
ドローンの飛行可能高度(高さ制限)を正確に調べる方法
空港周辺での許可申請の要否を判断するためには、飛行させたい場所の正確な高さ制限を知る必要があります。
今回は「千葉県佐倉市飯野820 佐倉草ぶえの丘」を例に挙げて解説します。
1.地理院地図で規制範囲を確認する

①画面左上の検索窓に「千葉県佐倉市飯野820 佐倉草ぶえの丘」と入力し、地図を移動させます。
②検索窓の下にある「地図」をクリックします。
③リストが表示されます。

④リストをスクロールし、「その他」を選択します。
⑤「その他」の下に表示されるメニューから「他機関の情報」をクリックします。
⑥「他機関の情報」のリストをスクロールし、「各種空間情報(航空局)」をクリックします。
⑦「各種空間情報(航空局)」の下にある「空港等の周辺空域」にチェックを入れます。

⑧地図上に、緑色で示された空港周辺の規制エリアが表示されます。
画面下部に表示される「標高」の値をおぼえておきましょう。
2.高さ制限回答システムを使って飛行可能高度を算出する
「千葉県佐倉市飯野820 佐倉草ぶえの丘」が規制エリアに含まれているため、高さ制限回答システムを使って、具体的な制限高(標高)と地上からの飛行可能高度を計算します。

①インターネットで「[空港名] 高さ制限回答システム」(今回は千葉県のため成田空港と入力)と検索し、該当システムにアクセスしたのち「制限表面に関する照会はこちら」のリンクをクリックし、回答システムに進みます。

②地図上で飛行予定地の地名を入力します。
③地図上のピンをクリックします。

③下にスクロールして表示されている「制限高(標高)」の値(例:約321m)をメモします。
▼千葉県佐倉市飯野820 佐倉草ぶえの丘のデータ
| 項目 | 値 | 出典 |
| 制限高(標高) | 約321m | 高さ制限回答システムの照会結果(円錐表面) |
| 地点の標高 | 25.5m | 地理院地図のデータ(佐倉草ぶえの丘付近) |
以下の計算式に基づき、地上から許可なく飛行可能な地上高を算出します。

佐倉草ぶえの丘付近では、地上から295.5m以下であれば、航空法上の「空港等の周辺の空域」に関する許可申請は不要である可能性が極めて高いです。
- 土地管理者(施設)の許可:算出された高さ以下であっても、「佐倉草ぶえの丘」のような公園や施設、私有地の上空を飛行する場合は、施設の管理者(土地管理者)からドローン飛行に関する許可を得る必要があります。
- 150m以上の飛行:算出結果は295.5mですが、地表・水面から150m以上の高さを飛行する場合は、航空法上の承認(特定飛行の追加承認)が別途必要となります。
- 小型無人機等飛行禁止法:成田空港の敷地から概ね300m以内に含まれていないか確認が必要です。
- DID/その他の規制:人口集中地区(DID)であれば承認が必要であり、飛行前には緊急用務空域が設定されていないかを確認する必要があります。
システムがない空港や境界線付近での空港等設置管理者への確認方法
高さ制限回答システムが未整備の空港や、規制エリアの境界線付近で飛行する場合は、該当する空港等設置管理者に直接問い合わせて確認しましょう。
- 標高で質問する:「地上から何メートル飛ばせるか」ではなく、「制限高(標高)は何メートルか」を確認しましょう。
- ローカルルールに注意:法律や告示の制限表面の高さとは別に、目視着陸を妨げないために制限高未満でも「届出」が必要となるローカルルールを設けている空港もあります。
ドローンを空港周辺で飛ばすための許可申請プロセス
高さ制限を超えて飛行する場合や、特定8空港の周辺で飛行する場合は、国土交通大臣の許可が必要です。
申請前に避けて通れない!空港管理者との事前調整と承認の重要性

空港周辺の許可申請を成功させるには、空港管理者との事前調整が必須です。
飛行経路や時間帯などについて、航空機の運航に影響がないよう詳細に調整し、了解を得ましょう。
管理者の承認がなければ、許可申請を提出しても原則として許可は下りません
申請先は空港事務所!必要な書類と提出の期限
空港周辺の飛行許可申請は、飛行エリアを管轄する空港事務所の所長宛に行います。
- 申請先(管轄):飛行エリアによって東京空港事務所または関西空港事務所のどちらかになります。
- 提出期限:飛行開始予定日の10開庁日前まで(確実な審査のためには3〜4週間程度の余裕が推奨されます)。
3-3. 通常の許可基準に加え、空港周辺飛行で満たすべき「追加基準」
空港周辺飛行の許可を得るために、通常の基準に追加して満たすべき主な要件は以下の通りです。
| 分類 | 主な要件(抜粋) |
|---|---|
| 機体に関する追加基準 | 航空機からの視認性を高めるため、灯火(ライト)の装備や機体の塗色を行う。 |
| 安全確保体制の追加基準 | 空港設置管理者と常に連絡が取れる体制を確保し、飛行経路全体を見渡せる位置に補助者を配置する。 |
| 航空情報の通知 | 飛行日の前日までに、飛行日時、経路、高度などを管轄の空港事務所長などへ通知する体制を構築する。 |
ドローンを空港周辺で飛ばす際に注意すべき二重規制と飛行禁止事項
空港周辺では、航空法に加え、さらに厳しい規制が存在します。
小型無人機等飛行禁止法による規制:100g未満のドローンも対象です
特定8空港の敷地およびその周囲おおむね300メートルの地域では、小型無人機等飛行禁止法が適用され、100g未満のドローン(トイドローン)も含む、すべてのドローンが規制対象となる点が特徴です。
該当エリアで飛行する場合は、航空法上の許可とは別に、以下の手続きが必須です。
- 空港管理者の同意を得る
- 管轄の警察署などへ、飛行開始の48時間前までに事前通報を行う
災害時に発動される緊急用務空域:許可があっても即時飛行中止

警察、消防、救難活動などの航空機が飛行する場合、緊急用務空域が指定されます。
緊急用務空域では、たとえ航空法上の飛行許可を事前に取得していても、すべての無人航空機の飛行が原則禁止されます。

飛行直前には国土交通省の公式サイトやX(旧Twitter)で、最新の指定状況を確認する義務があります
DJIドローンユーザー必須!GEO区域(No Fly Zone)の解除手順と注意点

DJI社製のドローンを使用する場合、空港周辺の多くはメーカー独自の規制エリアであるGEO区域(No Fly Zone)に設定されています。
許可申請を取得したとしても、GEO区域の解除手続きを行わなければドローンが離陸できないため、事前にロック解除の手続き(自己責任によるロック解除)を行っておく必要があります。
GEO区域解除の準備資料
ロック解除の申請を行うには、事前に以下の情報や資料を用意する必要があります。
- 本人確認情報
- フライトコントローラーのシリアルナンバー(DJIアプリで確認)
- 飛行禁止解除エリアの中心座標、半径、高度(公式承認文書の数値に準じる)
- 飛行禁止解除時間(最大1年または3年)
- 公式の承認文書(関連部門の押印がある場合にのみ有効)
ロック解除申請の基本手順(オンライン)
GEO区域のロック解除申請は、DJIの公式サイト(Fly Safeページ)から行います。
- 1, アカウント認証:初めて申請する場合は、指示に従って個人情報を入力し、「認証申請」を行います。
- 2, 新規申請の開始:Webサイト左上のメニューから「ロック解除申請」→「+新規ロック解除申請」をクリックします。
- 3, 情報記入 DJI製品とDJIアカウント情報を記入します(複数デバイスに対応)。
- 4, エリア設定:マップ画面下方の「多角形」や「サークル」ツールを利用して、ロック解除したいエリアを手動で正確に描画・設定します。
- 5, 情報確認:ロック解除に必要なエリアの中心座標、半径、高度、期間などの情報に間違いがないか確認し、送信します。
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オンラインでの申請が承認された後、DJIアプリ(DJI FlyやDJI Pilot 2など)を起動し、取得したロック解除ライセンスを機体にインポートした場合に、現地での飛行が可能になります。
- ロック解除申請は、通常1時間以内に審査されます。
- 申請が拒否された場合、Webサイトで拒否された理由を確認し、関連情報を追加して再申請できます。
詳細は、DJI公式サイト:ドローン製品の飛行禁止区域制限解除ガイドから確認できます。
ドローンを空港周辺で飛ばす際の許可申請と規制に関するQ&A

Q: 空港周辺の許可申請にかかる日数はどのくらいですか?
A: 国土交通省は飛行開始予定日の10開庁日前までの申請を求めていますが、空港管理者との事前調整が必要なため、実際には3〜4週間程度の余裕を持った準備が推奨されます。
申請内容に不備があったり、空港の混雑時期と重なったりする場合は、さらに時間がかかることがあります
Q: 空港周辺の飛行で小型無人機等飛行禁止法の事前通報は必須ですか?
A: 小型無人機等飛行禁止法の対象となる特定8空港の周辺でドローンを飛行させる場合は、航空法上の許可とは別に、管轄の警察署などへの飛行開始48時間前までの事前通報が必須です。
航空法と飛行禁止法の二重規制に注意が必要です
Q: 制限表面より下であれば許可は本当に一切不要ですか?
A: 特定8空港以外の空港では、理論上、制限表面より下であれば航空法上の許可申請は不要です。
しかし、空港独自のローカルルールにより、制限表面より下の飛行でも空港等設置管理者への届出が必要な場合や、飛行高度に制限がある場合があります。
飛行禁止空域の境界付近や判断に迷う場合は、空港等設置管理者への直接確認が安全策です
まとめ
空港周辺でのドローン飛行は、航空法と小型無人機等飛行禁止法の二重の規制があり、極めて難易度の高い許可申請が必要です。
正確な高さ制限を確認し、空港管理者との事前調整を丁寧に行うことが成功の鍵となります。
すべての規制と許可のステップを理解し、安全体制を万全にしたドローン活用が、操縦者としての責務といえるでしょう。
- 規制の基礎:空港周辺の空域は、航空機の安全確保のため「制限表面」と呼ばれる三次元的な高さ制限で厳しく規制されている。
- 特定8空港 新千歳、羽田、成田など特定8空港の周辺では、高さに関わらず地表からすべて飛行禁止となり、必ず許可申請が必要である。
- 規制確認:規制エリアの範囲は地理院地図、具体的な飛行可能高度は高さ制限回答システム(または空港等設置管理者への直接確認)で調べる。
- 申請の鍵:飛行許可を得るためには、空港管理者との事前調整と「承認」が申請プロセスの最重要事項である。
- 二重規制:航空法に加え、特定8空港の周辺では小型無人機等飛行禁止法の規制が適用され、100g未満のドローンも事前通報が必須となる。
▼参考URL
- 国土交通省:無人航空機の飛行の許可が必要となる空域
- 国土地理院:地理院地図(ドローン情報)
- 国土交通省:小型無人機等飛行禁止法関係
- 国土交通省:空港等設置管理者・空域を管轄する機関の連絡先について
- 国土交通省:無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(抜粋)
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