
チェコのドローン規制はどんな感じなのかな?

基本的にはEASAのルールに基づいて運用されているよ
- EU共通のEASAルールに基づき、オープン・スペシフィック・サーティファイドの3カテゴリーで運用が定められています。
- 登録とオンライン試験が必須で、日本よりやや厳格な制度ですが、基準が明確で飛行準備はしやすいです。
- 日本からの持ち込みも可能ですが、バッテリー規制や現地でのオペレーター登録が必要になるため注意が必要です。
※本記事は、2025年9月時点の情報を参考に作成しています。
チェコのドローン規制について

チェコ共和国では2020年12月31日以降、欧州航空安全機関(EASA)による共通規制枠組みが導入され、趣味・商用を問わず、共通ルールのもとでのドローン飛行が義務付けられています。
チェコのドローン規制を管轄する機関
チェコにおけるドローン規制は、チェコ民間航空局(Úřad pro civilní letectví / Civil Aviation Authority Czech Republic, CAA-CZ)が管轄しています。
住所 | Civil Aviation Authority of the Czech Republic, K letišti 1149/23, 161 00 Prague, Czech Republic |
連絡先 | +420 225 421 111 / podatelna@caa.gov.cz |
公式サイト | https://www.caa.gov.cz/en/ |
登録や試験、規制情報はすべて公式サイト内のdron.caa.czからオンラインで完結でき、問い合わせはメールや電話で可能です。
なお、最新情報はチェコ語のみ更新される場合があるため、注意が必要です。
チェコで適用されている法令
チェコのドローン規制は、EASAが定めたEU共通ルールに基づき運用されています。
- 実施規則(EU)2019/947
→ ドローンの運用ルール(オープン、スペシフィック、サーティファイドの各カテゴリー)を定義。 - 委任規則(EU)2019/945
→ ドローン機体のクラス分け(C0〜C4)や製造要件を規定。 - チェコ国内法(民間航空法 第49/1997号など)
→ 違反時の罰則(最大500万CZKの罰金など)を定める。
チェコのドローン規制は、EUのEASA共通ルールと、国内で定められた補完的な法律の二本立てで構成されています。
具体的には、規則2019/947がドローンの「運用」に関するルールを定め、規則2019/945が「機体」に関する要件を規定しています。

規制に違反した場合には、チェコ国内法に基づいて厳しく処分される可能性がある点には注意が必要です
CEマークとクラス識別ラベル

EU圏内、特にEASA加盟国のチェコでドローンを飛行させるためには、機体に「CEマーク」と「クラス識別ラベル(C0〜C6)」の両方が表示されていることが必要です。
CEマークはEUの一般製品安全基準への適合を示し、クラス識別ラベルはどのカテゴリーで運用できるかを示すものです。
これらがない機体は、原則として合法的に飛行させることができません。
チェコのオペレーター登録とドローン登録について

チェコでは、対象のドローンを飛行する際に、オペレーター登録とドローン登録が義務付けられています。
オペレーター登録
登録対象・条件 | – ドローン重量が250g以上 – 250g未満でもカメラやセンサー搭載で個人情報取得可能な場合 – 「玩具扱い(14歳未満向けCEマーク付)」は登録不要 |
最低年齢 | 18歳未満は保護者が代理登録 |
登録方法 | 公式サイトからオンライン登録 |
必要書類 | 基本情報(氏名・住所・連絡先メール/電話) |
費用 | 無料 |
有効期限 | EU全域で有効(期間はカテゴリによる。更新時は再登録が必要) |
オペレーター登録を行うと、「登録番号(CZE+英数字12桁)」が発行されます。
登録番号は所有するすべてのドローンに明示しなければならず、ステッカーや手書きなど形式は自由ですが、容易に判別できる形で貼付する必要があります。
なお、遠隔IDに対応した機体の場合は、番号のシステム入力も求められます。

一度登録すれば複数のドローンを追加で登録する必要はなく、すべての所有機に同じ番号を使用できる点も特徴です
ドローン登録
登録対象 | – 基本的に不要(機体登録制度は廃止) – 例外:特定カテゴリーや認証カテゴリーに分類される大型・高リスク機体は登録必要 |
最低年齢 | 特になし(操縦者は原則16歳以上) |
登録方法 | 航空機登録簿(Letecký rejstřík)に申請 |
必要書類 | ÚCL指定の登録申請書、オペレーター登録証明など |
費用 | 機体登録:3,000 CZK/航空機アドレス:500 CZK |
有効期限 | 登録が有効な限り有効(更新手続きあり) |
チェコでは、ドローン登録は基本的に不要で、通常のホビー用や一般的な小型ドローンはオペレーターの登録だけで運用が可能となっています。
ただし、特定カテゴリーや認証カテゴリーに分類される大型機体や高リスク運用を伴うドローンについては、チェコの航空機登録簿(Letecký rejstřík)に登録する義務があります。

各機体ごとに識別番号や航空機アドレスが付与され、3,000CZKの登録料と500CZKのアドレス付与料が必要となります
チェコのドローン保険の加入の有無
チェコでは、ドローンの運用に起因して第三者に損害を与える可能性がある場合、賠償責任保険への加入が求められています。
特に重量のあるドローンや、都市部・人口密集地域・特別保護区域などでの飛行を行う場合は加入が実質的に必須と考えてよいでしょう。
加入義務 | 一定の条件下で必須 |
適用範囲 | ドローン運用によって第三者に損害を与える可能性がある場合 |
必要書類 | 保険契約書、または保険会社発行の証明書 |
費用 | 保険会社や補償額によって異なる |
管轄機関 | チェコ民間航空局(ÚCL)による規制、保険提供は民間保険会社 |
加入対象となる保険は、一般的な賠償責任保険の特約として提供されるケースが多く、補償範囲や金額は契約内容によって異なります。
いずれにしても、飛行前に補償額や適用条件を確認し、証明書を携行しておくことが推奨されます。

また、保険は個人利用だけでなく、商業利用や特定カテゴリーでの飛行を行う際にも必要とされることがあります
チェコのレクリエーション飛行におけるドローンカテゴリー

チェコではEU共通の規制枠組みに基づき、レクリエーション飛行はオープン(OPEN)カテゴリーを中心に行われます。
オープンカテゴリーはリスクの低い運用を対象としており、飛行内容によって A1・A2・A3 の3つのサブカテゴリーに分けられています。
サブカテゴリー | 主な条件 | 飛行可能エリア | パイロット要件 |
---|---|---|---|
A1 | – 重量250g未満(またはC0/C1機体) – 非関係者の上空飛行は原則回避 (やむを得ない場合のみ許容) | 屋外一般エリア | オンライントレーニング+修了証 |
A2 | – 重量2kg未満(またはC2機体) – 非関係者から50m以上離れる (低速モード利用で最短5mまで可) | 人の近くでの飛行を想定 | A2追加試験合格+証明書 |
A3 | – 重量25kg未満(またはC2/C3/C4機体) – 非関係者がいない場所のみ – 住宅地・商業地・工業地・レジャー地から150m以上離れる | 郊外・人口の少ないエリア | オンライントレーニング+修了証 |
サブカテゴリーA1では軽量ドローンを中心に、非関係者の上空の短時間通過が認められる場合がありますが、基本的には避けることが求められます。
A2は市街地や人の近くでの飛行を想定しており、追加の技能証明が必要で、A3はカテゴリー内で厳しい条件が課されており、広い郊外でのみ飛行可能です。

すべてのカテゴリーに共通して、オペレーター登録番号を機体に貼付し、パイロットはオンライントレーニングを受けて修了証を取得しておく必要があります
ドローンライセンス・試験の概要
チェコでは、レクリエーション飛行を含むすべてのパイロットに対し、一定の理論知識の習得と試験合格が求められます。
試験はオンラインで実施され、EU共通の枠組みに基づいて運用されています。
最低年齢 | 16歳以上(未成年は保護者が法的代理人として対応) |
試験形式 | オンライン試験(40問、四択) |
合格基準 | 75%以上の正答率(30問以上正解) |
制限時間 | 60分(多くは30分程度で完了) |
受験費用 | 無料 |
証明書 | 合格後、自動的に電子証明書が発行され、保存または印刷可能 |
有効範囲 | EU加盟国全域で有効 |
対象カテゴリー | A1・A3は基本試験で対応、A2は追加試験が必要 |
有効期限 | 原則5年間(期限切れ後は再受験・更新が必要) |
チェコのオープンカテゴリ―の試験は、航空の安全・空域制限・運航ルール・人間の限界・プライバシー保護など、ドローン運用に関する幅広い知識を確認する内容となっています。
合格者には「オンライン講習修了証」が発行され、オープンカテゴリーでの飛行に必要な基礎資格として機能します。
サブカテゴリーA2で飛行する場合は、追加の技能試験(近接飛行に関する知識・操縦能力を確認する内容)に合格する必要があります。
また、不合格の場合でも再受験が可能ですが、複数回失敗すると再登録が必要になるため注意が必要です。

証明書はEU内で共通に認められるため、チェコで取得すれば他のEU加盟国でもそのまま有効に活用できます
オープンカテゴリーの飛行ルール
サブカテゴリー | ドローン重量 | 飛行可能エリア | 人との距離 | 主な条件 |
---|---|---|---|---|
A1 | 250g未満(C0/C1機体) | 人がいる場所での飛行可 | 原則:非関係者の上空飛行は避ける(やむを得ない場合のみ一時的に可) | 高度120m以下、 操縦者登録必須 |
A2 | 2kg未満(C2機体) | 市街地周辺での飛行可 | 最低50m (低速モード時は5mまで可) | A2ライセンス取得必須、 非関係者の上空飛行は禁止 |
A3 | 25kg未満(C2/C3/C4機体) | 人のいない地域 | 非関係者から150m以上、住宅・商業・工業・レクリエーション地域から150m以上 | 操縦者登録必須、 人口密集地上空は飛行禁止 |
チェコの空域では、最大飛行高度は120mに制限されています。また、飛行の際には常に目視範囲内(VLOS)を維持しなければなりません。
空域の利用可否については、飛行前にチェコ民間航空局(ÚCL)が提供する DroneView や AISView といったデジタルマップツールを使用して確認します。
さらに、公共の安全やプライバシーを守る観点から、学校や政府施設、鉄道や送電線付近では追加の制限が課されることがあります。

違反すれば高額な罰金や機体の没収などの処分を受ける可能性があるため、事前確認と慎重な運用が重要です
チェコでは外国人でもドローンを飛ばせるか

チェコでは、外国人であってもドローンを飛ばすことが可能ですが、原則としてEU共通の操縦者登録と試験合格が必要になります。
- 登録義務:EU圏外の居住者(日本を含む)は、チェコ民間航空局(ÚCL) のシステムで操縦者登録を行う必要があります。
- 試験:オンライン知識試験を受験し、修了証を取得しなければなりません。
- 飛行範囲:観光客であっても、オープンカテゴリーの規則(高度120m以下・目視範囲内・空域制限の遵守)がそのまま適用されます。
- 保険:義務付けられてはいませんが、万一の事故や損害に備えて賠償責任保険への加入が強く推奨されています。

チェコで登録した操縦者番号や修了証は、他のEU加盟国でも有効です
日本からチェコにドローンを持ち込む際の注意点
日本から旅行や出張でドローンを持ち込む場合、次の点に注意する必要があります。
項目 | 注意点 |
---|---|
機体の規格 | EU規則に基づくC0〜C4クラスのラベルが付与されているか確認。 古い機体でも移行措置により飛行可能な場合があります。 |
バッテリー | リチウムイオン電池は航空会社の規定に従って手荷物として運ぶ必要があります (受託手荷物は禁止の場合が多い)。 |
登録番号の表示 | チェコで発行された操縦者登録番号を、持ち込んだすべての機体に明示する必要があります。 |
飛行前の確認 | DroneViewやAISViewで、飛行予定地における空域制限の事前確認が必須です。 |
通関・輸入制限 | 特殊な通信機能やカメラを搭載している場合は、追加申告が必要となる場合があります。 |
なお、日本で取得した資格や登録はそのままチェコでは有効になりません。
必ずチェコまたは他のEU加盟国での登録・試験を行い、合法的に飛行できる状態にしてから運用してください。
チェコのドローン規制に違反した際の罰則

チェコにおいてドローン規制に違反した場合、行政手続きの対象となり、最大で500万チェココルナ(約3,000万円以上)の罰金が科せられる可能性があります。
特に制限空域での飛行や、無登録・無保険での飛行は重い処分を招きやすく、場合によっては機体の没収や飛行禁止命令が下されることもあります。
違反内容 | 想定される罰則 |
---|---|
登録義務を怠ったまま飛行 (オペレーター未登録) | 最大5,000,000 CZK(約3,000万円以上)の罰金 |
制限空域(例:プラハ城や空港周辺)で 無許可飛行 | 高額罰金+即時飛行停止命令 |
人混みや市街地上空での無許可飛行 | 罰金および機体没収の可能性 |
無保険での飛行による第三者損害 | 損害賠償責任+罰金 |
外国人が日本の資格のみで飛行 | 不法運用として罰金 |
また、観光客を含む外国人の場合も例外はなく、日本のライセンスをそのまま持ち込んで使用した場合は「不法運用」と見なされ、処分の対象になります。
加えて、事故を起こした場合には罰金に加えて民事上の損害賠償責任も発生し、保険未加入であれば高額の自己負担を強いられることになります。

チェコでドローンを安全かつ合法的に飛行させるためには、事前の登録・資格取得・保険加入・空域確認が欠かせません
まとめ
チェコ共和国におけるドローン規制は、EU共通ルールを前提に民間航空局(ÚCL)が厳格に管理しています。
オペレーター登録や保険加入、試験によるライセンス取得は必須であり、違反時には高額の罰金が科されることもあります。
観光客や外国人でも正規の手続きを踏めば飛行は可能ですが、日本の資格はそのまま使えないため注意が必要です。
安全で快適なドローン飛行のためには、事前準備と最新情報の確認を怠らないようにしましょう。
▼参考URL
- Úřad pro civilní letectví(チェコ民間航空局 / CAA CZ)公式サイト
- Drone Portal – ÚCL Miniweb(dron.caa.cz)
- EASA(European Union Aviation Safety Agency) – UAS regulations
- Český telekomunikační úřad(ČTÚ / チェコ通信局) – 無線周波数利用
- Létejte zodpovědně(チェコ航空当局・ŘLP ČRによる安全キャンペーン)
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