ネパールでのレクリエーション目的ドローン飛行|日本人が知るべき規制と注意点まとめ

ネパールのドローン規制のサムネ
おしんちゃん

ネパールのドローン規制は整っているのかな?

とっくり

国の重要施設が多いから、ちゃんと規制されているよ

ネパールのドローン規制とは
  • ネパールでは機体重量や用途に応じて厳格なドローン規制があり、レクリエーション目的であっても登録や申請が必要です。
  • 外国人による飛行も許可されていますが、事前申請・保険加入・飛行区域の制限など多くのルールを理解しておく必要があります。
  • リチウム電池の機内持ち込みや飛行違反時の罰則など、出国前から知っておくべき注意点が複数存在します。

※本記事は、2025年7月時点の情報を参考に作成しています。

ネパールにおけるドローン規制の管轄機関と基本法令

ネパールではドローンの飛行や登録、操縦ライセンスに関して明確な規定が存在し、それらはすべて政府の管轄下にある専門機関によって管理されています。

まずは、どの機関が運営しているのか、そしてどのような法令が適用されているのかを確認していきましょう。

ドローン規制を担当するネパールの主な機関

  • ネパール民間航空庁(Civil Aviation Authority of Nepal, CAAN)
     → ドローンに関する登録・飛行申請・操縦者ライセンスなどの一元管理を行う中央機関です。
  • 内務省(Ministry of Home Affairs)
     → 公共安全や治安に関する観点から、一定の飛行条件や制限区域を定める役割を担います。
  • 国防省(Ministry of Defence)などの関係省庁
     → 軍事施設や国境付近の飛行制限など、特定の空域に対して規制を設けることがあります。

適用される法令と運用規定

法令・文書名内容の概要発行元制定・改定年
Civil Aviation Regulations 2002
(改正含む)
航空機に関する基本的な法律体系でドローンも含まれるネパール政府2002年〜
UAS Requirements
(Unmanned Aircraft System Requirements)
ドローンの登録、飛行条件、操縦ライセンスなどの技術的・運用的基準を定めるガイドラインCAAN
(ネパール民間航空庁)
2021年4月最新版
Ministry of Home Affairs RPA/
Drone Working Procedures
治安や安全面から見た飛行条件、申請ルート、禁制区域のガイドライン内務省年次更新あり
(発行年明記なし)

上記の規定は、基本的に「Civil Aviation Act(航空法)」を上位法としており、ドローンに特化した詳細ガイドラインとして「UAS Requirements」や「RPA Working Procedures」が発行されています。

 

とっくり

すべてのルールは、2021年6月30日までに完全実施されることが義務付けられた文書に基づいています

ネパールのオペレーター登録とドローン登録について

ネパールでドローンを飛ばすには、操縦者本人の情報を登録するオペレーター登録と、ドローン本体を登録する機体登録の2つが必要になります。

ネパール民間航空庁(CAAN)に申請したのち、適切な証明書と識別番号が交付されます。

オペレーター登録について

オペレーター登録とは、ネパール政府に対して操縦者が信頼性のある人物・団体を証明するための制度です。

登録された操縦者には、後のライセンス申請や飛行許可手続きにおいてもスムーズな対応が可能になります。

オペレーター登録に必要な情報・書類一覧

登録項目内容・提出書類の概要
登録対象者ドローンを操縦・運用するすべての個人または法人(ネパール国内外問わず)
提出先Civil Aviation Authority of Nepal(CAAN)
本人確認書類パスポートまたは市民権証明書(外国人の場合はパスポート)
写真カラー証明写真(パスポートサイズ)1枚
連絡先情報住所、電話番号、メールアドレス
登録目的商用・業務・レクリエーションなど、明確な飛行目的の記載
その他必要に応じてビザのコピーや関係機関の推薦状などを求められることあり

なお、オペレーター登録は外国人に対しても義務化しています。

 

とっくり

登録時には、連絡先や飛行目的などの情報も合わせて提出します

ドローン登録について

オペレーター登録が完了したら、次に必要なのはドローン本体の登録です。

こちらもネパール民間航空庁(CAAN)にて行われ、登録が完了すると「登録証」と「UIN(固有識別番号)」が発行されます。

ドローン登録に必要な情報・書類一覧

登録項目内容・提出書類の概要
対象機体ネパール国内で飛行予定のすべての無人航空機(MTOW問わず)
提出先Civil Aviation Authority of Nepal(CAAN)
所有者情報氏名または法人名、住所、連絡先、パスポートまたは登記証明書の写し
機体情報メーカー名、型番、シリアルナンバー、製造年、機体カラー
技術仕様書ドローンのマニュアルやスペック表(PDFまたは印刷可)
購入証明ネパール国内:レシートやVAT領収書/国外:通関証明書(Custom Clearance)
機体写真シリアルナンバーが確認できる鮮明な画像(正面・側面など)
飛行目的撮影、農業、点検、趣味など、使用目的を具体的に記入

ドローン登録は1機体ごとに必要であり、登録されたドローンには「UIN(Unique Identification Number)」の表示が義務となっています。

UINは機体の外部に読みやすく記載する必要があり、飛行中は登録証の携帯が求められます。

 

とっくり

国外から持ち込んだ機体は通関証明が不可欠ですので、入国前に準備しておくと安心です

ドローン保険の加入は義務なのか?

現時点でのネパールのドローン規制においては、ドローン保険の加入は義務として規定されていません

法律上は保険未加入でも飛行は可能ですが、以下のようなケースでは、保険加入が事実上の必須事項と考えられています。

  • 商業利用や業務目的での飛行(撮影・測量・調査など)
  • 都市部や人の多い場所での飛行
  • 大型の機体(カテゴリC以上)を使用する場合
  • 観光地・文化財・重要インフラ周辺での飛行
  • 外国人による飛行で、公的申請を行う場合(CAANによって求められる場合あり)

たとえレクリエーション目的であっても、他人の財産や人身に損害を与える可能性はゼロではありません

また、今後法制度が改正され、特定エリアやカテゴリにおいて保険加入が義務化される可能性も十分に考えられます。

 

とっくり

ネパールのドローン規制に適合する保険に加入しておくと安心です

ネパールでのドローン規制に対応可能な日本の保険会社

保険会社名掛け金(月額目安)最大補償金額特徴
三井住友海上
(エアロエントリー)
約2,000〜6,000円
(年間プランを月換算)
最大10億円
(対人・対物)
DJI公認 / 海外対応プランあり / 賠償・機体補償 /
英文証明書発行
AIG損害保険約3,000〜7,000円
(旅行・業務用)
約数千万〜無制限
(旅行保険枠による)
海外出張・旅行対応 / 賠償責任補償あり / 多言語サポート
東京海上日動
(FLIGHTS提携)
約1,500〜5,000円最大1億〜10億円
(対人・対物)
機体保険+賠償責任 / 海外プランあり / オンライン手続き

掛け金や補償額は機体や契約内容によって変動するため、加入前に「ネパールでの飛行が補償対象になっているか」「英文証書を発行できるか」を確認しましょう。

ネパールにおけるレクリエーション飛行の概要

ネパールでは、すべての無人航空機(ドローン)は重量に応じて4つのカテゴリに分類されており、求められる登録やライセンスの有無、飛行ルールが異なっています。

特にレクリエーション目的で飛行を行う場合、自分の機体がどのカテゴリに該当するかを事前に把握しておくことが重要です。

✅ ネパールのドローン分類(カテゴリーA〜D)

カテゴリー最大離陸重量(MTOW)リスク区分主な用途例
A
(Very Low Risk)
250g未満非常に低リスク子ども用トイドローン、小型空撮機(屋外)
B
(Low Risk)
250g〜2kg低リスク一般的なレクリエーション用ドローン、軽量空撮機
C
(Regulated Low Risk)
2kg〜25kg規制付き低リスクプロ用空撮機、測量・農業用など
D
(Regulated High Risk)
25kg超高リスク工業用ドローン、重機搭載型、長距離配送用など

カテゴリAおよびBは、比較的制限が少なく、レクリエーション目的での飛行がしやすい分類です。

一方でカテゴリC以上の機体になると、飛行前のライセンス取得や特別な許可申請が必須となり、操作できる空域や飛行時間にも制約がかかります。

とっくり

機体の重量はバッテリー・カメラ・付属品すべてを含んだ総重量(最大離陸重量)で判断されます

ネパールのレクリエーション目的での飛行ルール

ネパールで趣味・観光・個人記録など非営利目的の飛行を行う場合でも、以下の飛行条件を守る必要があります。

ネパールにレクリエーション飛行ルールの画像

また、飛行可能時間は許可がない限り日中のみです。

 

とっくり

違反した場合は、罰則の対象となる場合があります

ネパールでのリモートパイロットライセンス取得の概要

ネパールでは、一定以上の重量やリスクを伴うドローンを飛ばす場合、リモートパイロットライセンス(Remote Pilot Licence)の取得が法律で義務付けられています。

リモートパイロットライセンス取得に必要な条件

年齢制限満18歳以上
学歴要件高卒(Class 12)相当以上
技術訓練CAAN認定の訓練機関での操作訓練の修了が必要
健康診断航空身体検査(PELR規定)を受け、適性が認められること
実技審査必要に応じて、CAANによる飛行テストの合格が求められる
応募方法書面での申請、履歴・経験の記載、証明書類の提出
発行機関ネパール民間航空庁(CAAN)

リモートパイロットライセンスは機体の種類や飛行目的によって限定が付与される場合があります(例:「VLOS飛行のみ許可」「特定機体に限る」など)。

また、ライセンス取得者であっても、5km以内の空港周辺や夜間飛行を行うには、別途の許可申請が必要です。

外国人によるネパールでのドローン飛行は可能か?

ネパールでは、外国人によるドローンの飛行は認められていますが、事前に所定の申請・許可を受けることが必須とされています。

観光客・旅行者であっても、外国籍の場合、ネパール民間航空庁(CAAN)は追加の審査や書類提出を求めることがあります

外国人がドローンを飛ばす条件の画像

特にエベレスト周辺や世界遺産、寺院などのエリア空撮を伴う場合、ドローン自体の許可だけでなく、撮影に対する文化的配慮や観光省からの撮影許可が別途必要になることがあります。

また、CAANは安全性や混雑状況を理由に申請後に飛行を拒否する権利を保有しているため、余裕を持った申請をおすすめします。

 

とっくり

最低でも2週間以上の日数を確保するといいでしょう

日本からネパールにドローンを持っていくときの注意点

ドローン用リチウム電池は、航空機に持ち込む際にIATAの危険物規則(DGR)を守る必要があります。

以下は、IATAの規則に基づいたワット数ごとの要件です。

電池Wh容量機内持ち込み(搭乗手荷物)預け入れ(受託手荷物)
≤ 100 Wh
合計20個まで機内持込可能

原則預け不可
100–160 Wh
最大2個まで、事前航空会社許可後持込可

機内には可だが、預入には許可と制限あり
> 160 Wh
機内・預入とも不可(貨物扱い)

機内・預入とも不可

ドローンの多くは100Wh以下ですが、容量の大きなサイズ(例:商用機用)は100–160Whとなることもあります。

海外渡航時は、Whの記載がある電池を用意し、英文の航空会社許可書なども併せて準備すると安心です。

また、持ち込み規定は、利用航空会社や経由地によっても条件が異なる可能性があるため、出発前に必ず利用する航空会社および中継地の規則を確認してください

ドローン規制に違反した場合の罰則・処分

ネパールでは、民間航空の安全確保や文化・自然遺産の保護のために、ドローン飛行に関する厳格なルールが設けられています。

違反内容想定される罰則・処分
無許可での飛行・撮影機体の押収、罰金最大10,000ネパールルピー(約1万円)
空港・軍事施設付近での飛行警察による拘束、起訴、国外退去命令の可能性
文化財・宗教施設上空での飛行撮影データ削除命令、文化省による罰金・懲罰処分
夜間飛行・目視外飛行(BVLOS)を無許可で実施ライセンス停止、将来の飛行禁止処分
保険未加入状態で損害を発生させた場合賠償金の全額自己負担、民事訴訟のリスク

ネパールでは違反に対する対応が非常に厳しく、特に外国人による違反行為は観光・外交上の重大リスクと見なされやすい傾向にあります。

問答無用で制裁措置が取られるケースも少なくないことから、事前準備と規則の遵守を徹底しましょう。

また、トラブルに巻き込まれた場合は在ネパール日本国大使館に連絡することをおすすめします。

在ネパール日本国大使館

住所Panipokhari, Kathmandu, Nepal.
連絡先977-1-4526-680
開館時間月 ~ 金曜日 9:00 ~ 13:00 / 14:00 ~ 17:00(土日閉館)
公式Webサイトhttps://www.np.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

まとめ

ネパールでは、すべてのドローン利用に対して厳格な法制度が整備されており、飛行には登録や許可、場合によってはライセンスの取得が必要です。

外国人の飛行も可能ですが、文化・宗教・安全への配慮が特に重視されており、準備不足は重大なトラブルにつながります。

リチウム電池の管理や保険加入も含め、事前に必要な手続きを確認したうえで、安全・合法に空撮を楽しみましょう。


参考URL

Civil Aviation Authority of Nepal(CAAN)

CAAN Unmanned Aircraft System(UAS) Requirements, Issue 01, April 2021

Unmanned Aircraft System Requirements (UASR)

IATA – Lithium Battery Guidance for Passengers

DRONE LAWS


おしんドローンスクールからのお知らせ

海外でのドローン飛行に不安がある方は、おしんドローンスクールまでご相談ください。

規制情報の提供から安全講習まで、旅行者・在住者向けのサポートを行っています。

世界で安全に飛ばす知識を、私たちと一緒に身につけましょう。

おしんドローンスクールが選ばれる「5つの理由」

おしんドローンスクール

メリット1:東京の大自然、伊豆大島を満喫

東京都大島町、通称「伊豆大島」。「おしんドローンスクール」は、日本初の離島に開校されたドローンスクールです。 ドローン国家資格をただ教えるだけでなく、“体験”として心に残すことにこだわっています。海・山・風ー ー 伊豆大島の大自然は、まさに “ドローンを飛ばしたくなる場所”。ただの学びではない、 「未来のスキル×最高の体験」をぜひ体感してください。

メリット2:安心価格➕各種割引制度

都内スクールより低価格で各種割引も充実!二等基本は都内の相場より5万円以上お得です。 初心者も大歓迎。受講生の9割がドローンを触ったことがない初心者のため、安心してお申込みください。

メリット3:宿+食事+島内観光 コミコミ

講習+宿+食事+島内観光コミのプランをご用意。島に着いたらドローンガイドがお出迎え するので、離島への旅行デビューにもオススメです。受講生から「船や島内の移動も楽しかった」と圧倒的な満足度を得る、旅するような国家資格!もちろん講習のみのお申込みもOKです。

メリット4:最短1泊2日

一等・二等ともに合宿形式の講習となります。 最短1泊2日の集中講習(二等基本)で、国家資格を効率的に取得できます。 離島で宿泊しながら旅をするように学び、ドローンの魅力と可能性を肌で感じられる没入体験は、当スクール最大の特長です。。

メリット5:いつでも学べるe-learning

学科はe-learning学習です。実技講習の前後を問わず勉強・受験可能です。 PC・スマホで勉強でき、忙しい方もスキマ時間をご活用いただけます。そして伊豆大島合宿では実技を短期集中で頑張りましょう!

おしんドローンスクール 東京校で是非一緒に国家資格を取得しましょう!

上部へスクロール