
ポーランドのドローン規制を知りたいなぁ

レクリエーション目的ならスムーズに飛行できるよ
- オンラインで登録と講習を受ければ、観光客でも合法に飛行可能
- 現地の規制に合わせてオペレーター登録と機体登録を行う
- EASAの共通ルールに準拠しているが、運用はポーランド独自のオンラインシステム(KSID)で管理されている
※本記事は、2025年7月時点の情報を参考に作成しています。
ポーランドのドローン規制について
ポーランドは、ドローンは航空機として明確な法律の下に管理されています。
レクリエーション目的であっても、法律を知らずに飛ばすと罰則の対象になる可能性があるため注意が必要です。
ドローン規制を管轄している機関はどこ?
ポーランドでのドローン規制を管轄するのは以下の2つの機関です。
ULC (Urząd Lotnictwa Cywilnego) ポーランド民間航空局 | ドローン飛行の法的管理と監督。ルール策定、登録、違反処分など |
KSID (Krajowy System Informacji Dronowej) 国家ドローン情報システム | オペレーター登録、講習、飛行計画の確認などオンライン手続きを担う |

KSIDはULCの管理下にあるシステムで、日本からでも登録や講習をオンラインで受けられます。
▼ULC(Urząd Lotnictwa Cywilnego) : ポーランド民間航空局
住所 | ul. M. Flisa 2 02-247 Warszawa, Polska |
連絡先 | +48 22 520 72 00 / kancelaria@ulc.gov.pl |
公式Webサイト | https://ulc.gov.pl/en |
適用される法律と制度
ポーランドはEU加盟国であるため、ドローン運用はEASA(欧州航空安全庁)の統一ルールがベースとなっています。
- EU Regulation 2019/947(運用・登録に関する規定)
- EU Regulation 2019/945(製品基準や安全要件)

ポーランド国内では上記のルールを基に、登録や飛行ルール、講習制度などを定めています
オペレーター登録とドローン登録の方法
ポーランドでレクリエーション目的のドローンを飛ばす場合でも、原則として操縦者の登録が義務となっています。
また、機体についても特定の方法で識別情報の表示が求められます。
オペレーター登録の手順と概要
ポーランドでは、操縦者(オペレーター)は、KSID(国家ドローン情報システム)というオンラインポータルを通じて登録を行います。
以下の条件に該当する場合、登録が義務になります。
- ドローンの重量が250g以上
- ドローンが カメラやセンサーなどを搭載
- 「C1〜C4」などのEU認証ラベルが付いている

例を挙げると、DJI Mini 3 Pro(249g)でもカメラ付きのため登録対象となります
登録の流れ(外国人向け)

費用・有効期間など
- 登録費用:無料(2025年時点)
- 有効期間:原則無期限(情報に変更がある場合のみ再更新)
- 登録所要時間:10分程度、すべてオンラインで完結
- 提出書類:パスポート番号のみ、翻訳不要

発行された番号は印刷して、機体と一緒に携行することが推奨されます
ドローン登録(識別情報の表示)
ポーランドでは、ドローン本体を個別に登録する必要はありません。
代わりに、すでに登録されたオペレーター番号をドローンに貼り付けることで機体識別が完了します。
実施方法とポイント
- 操縦者番号(例:POL123456) をステッカーやプレートにして機体へ貼付
- 表示位置は機体外部の目視できる場所
- 1つの番号で複数機体に使用可(Mini・Airシリーズなど)
費用・書類など
- 登録費用:不要(機体登録自体なし)
- 準備物:操縦者番号のシールを自作または業者で作成
- 注意点:屋外で剥がれない素材がおすすめ(防水タイプなど)
操縦者番号は印刷して持ち歩くか、スマートフォンに保存しておきましょう。
登録番号の貼付を怠ると、罰則の対象となる可能性があります。

ポーランドのドローン登録制度はシンプルかつオンライン完結可能で、外国人旅行者にも優しい体制が整っています
ライセンス制度と試験・講習の概要【A1/A2/A3】
ポーランドでレクリエーション目的でドローンを飛ばす場合、基本的にはEU共通の「オープンカテゴリ(Open Category)」のルールが適用されます。
オープンカテゴリは、飛行場所やドローンの性能に応じて「A1」「A2」「A3」の3つのサブカテゴリに分かれており、それぞれに応じて必要なライセンスや講習・試験の内容が異なります。
A1 / A2 / A3 サブカテゴリ比較表
サブカテゴリ | 飛行エリア | 飛行対象 | 必要ライセンス | 主な制限 |
---|---|---|---|---|
A1 | 人の上空・近く | 軽量機(C0, C1) | オンライン講習(無料) | 群衆上空は不可 |
A2 | 人に近接(5〜30m) | 中量機(C2) | オンライン+筆記試験 | 安全距離・速度制限あり |
A3 | 人・建物から遠隔地 | 重量機(C3, C4) | オンライン講習(無料) | 人や建物から150m以上離れる必要あり |
Aカテゴリとドローン機体クラス(C0〜C4)の関係
A1〜A3のカテゴリ分けは、実際の飛行シーン(都市・郊外・無人地帯など)を想定した運用面の分類です。
一方で、ドローン本体にはC0〜C4による機体クラス(CEマーキング)が設定されており、どのサブカテゴリで飛ばせるかが決定されます。
機体クラス | 重量目安 | 対応カテゴリ | 主な特徴 |
---|---|---|---|
C0 | 250g未満 | A1 | 登録・講習不要、トイドローン含む |
C1 | ~900g | A1 | オンライン講習のみ、カメラ付きでも可 |
C2 | ~4kg | A2 | 筆記試験必須、安全距離厳守 |
C3 | ~25kg | A3 | 大型機、空き地など限定環境で運用 |
C4 | ~25kg | A3 | 自動操縦機能なし、模型機向け |
※DJI Air 2S(C1またはC2)は、A2で筆記試験が必要になる場合も
また、2024年以前に購入された機体の多くはCマークが付いていない「旧モデル(legacy)」扱いとなり、A3でしか飛ばせないケースもあります。

これからドローンを購入する場合は、Cマーク付きかどうかを確認しましょう
ライセンス取得の流れと講習・試験の内容
飛行カテゴリによって、必要な講習や試験の負担が異なります。
A1 / A3:オンライン講習(KSIDポータルで無料受講)
対象者 | C0~C1またはC3~C4機体を使用する者 |
方法 | KSID上でのeラーニング(所要時間:約30分) |
修了要件 | 理解度チェックの簡易テストあり(何度でも挑戦可) |
費用 | 無料 |
証明書 | 修了後、自動でPDFがダウンロード可 |
対応言語 | 英語対応あり(外国人も受講可) |
A2:筆記試験あり(C2機体など、より都市部での飛行が可能)
対象者 | C2機体を使ってA2カテゴリで飛行したい人 |
前提条件 | A1の講習を修了していること |
必要書類 | オペレーター番号(POLxxxxxxx) A1修了証明書(PDF形式) パスポートまたはID 試験料の支払い証明書(事前振込) |
試験形式 | 筆記(択一式、約30問) |
試験内容 | 航空法、気象、リスク管理、他人への配慮など |
講習方法 | 自習形式(ULCまたはEASA提供の教材) |
試験場所 | ポーランド国内の指定センター(都市ごとに数ヶ所) |
費用 | 約80〜100ズウォティ(約3,000円前後) |
言語 | 基本はポーランド語、一部英語対応あり |
証明書 | 合格後に発行され、KSID上に反映される |
ライセンス取得のステップ

軽量機のA1・遠隔地用のA3は無料で取得可能であり、都市近郊を飛ばすA2には試験が必要になります。
自身の使うドローンのクラスと、飛ばしたい場所のカテゴリを照らし合わせて、適切なライセンス取得を進めましょう。
ポーランドのレクリエーション飛行における禁止行為と注意点
ポーランドでは、EU統一ルール(EASA)のもと、趣味・レクリエーション目的でドローンを飛ばすことが認められています。
ただし、飛行エリアや安全対策には厳格なルールがあり、違反すると高額の罰金や機体没収などの処分が科されることもあります。
禁止されている主な飛行行為(共通ルール)
以下のような行為は、原則としてすべてのカテゴリ(A1/A2/A3)で禁止されています。
- 👨👩👧👦 人混みや群衆の上空の飛行(例:イベント、フェス)
- 🏥 病院・刑務所・原発などの重要施設上空での飛行
- 🏛️ 政府機関・軍事施設周辺での撮影・飛行
- 🛫 空港や飛行場から5km以内の飛行(要特別許可)
- 🚗 道路・高速道路・鉄道上空の低空飛行
- 🌆 夜間飛行(許可を受けていない場合)
- 👀 第三者のプライバシーを侵害する撮影(例:個人宅、ベランダ)
- 📶 無許可のFPV(ファーストパーソンビュー)飛行
禁止空域の代表例
- ワルシャワ・ショパン空港(EPWA)周辺半径5km
- 国境沿いの軍用訓練空域(例:EPRxx, EP Dxxなど)
- Natura 2000保護地域(野鳥保護区含む)
- 観光名所の一部(例:ヴィエリチカ岩塩坑など)※地方条例による
ドローン飛行の注意点
ULC(Urząd Lotnictwa Cywilnego)の公式サイトや、DroneRadarなどのアプリを利用して事前に飛行可能エリアを確認しましょう。
法律上は許可されていても、現地の住民や観光客の反応に配慮を忘れずにし、見通しの悪い場所・山間部・森林地帯では目視外飛行にならないよう注意が必要です。

警察や保安当局に職務質問される可能性もあるため、証明書類をスマートフォンや紙で常備すると安心です
外国人でもポーランドでドローンは飛ばせる?
結論から言えば、外国人(旅行者含む)でも、ポーランドでドローン飛行が可能です。
しかし、EASAルールに基づくいくつかの事前手続きと、最低限の講習受講が求められます。
オペレーター登録 | 義務(ULC指定のKSIDポータルから申請) |
ドローン登録 | C1以上の機体の場合は義務(同上) |
オンライン講習(A1/A3) | 義務(無料/英語対応あり) |
A2カテゴリ飛行 | 筆記試験受験が必要(ポーランド国内) |
EU域外からの持ち込み | 問題なし(ただしCEマーキング推奨) |
ポーランドでは、外国人でもKSID(国家ドローン情報システム)を通じてオンラインで操縦者登録や講習を受けることができます。
また、登録にはパスポート番号が有効で、講習も英語で対応可能です。
登録後には操縦者ID(POLxxxxxxx)が即時発行され、機体識別や飛行申請の際に必要となります。
外国人の登録・飛行における注意点
- A2カテゴリの飛行を希望する場合、ポーランド国内での筆記試験が必要になる
- 短期旅行者はA1/A3範囲内での運用がおすすめ
- 一部の電波周波数帯がEUと異なるため、技適マーク付きの送信機は欧州の認証に対応していない可能性がある
- FPV飛行(ゴーグル使用)は、監視補助者がいない限り禁止
- KSIDポータルに日本国内からアクセスできない場合は、VPNの使用か、現地到着後にWi-Fi経由で登録する方法が一般的
- オンライン講習は、登録後すぐにアクセスできる形式で、30分以内で修了
日本からポーランドで機体持ち込み時の留意点
税関申告 | 通常の観光ドローンであれば申告不要 |
バッテリー | 機内持ち込み(100Wh以下/2〜3本推奨) |
パッケージング | 耐衝撃ケース・リポバッグ使用が望ましい |
CEマーク | あればベスト、なければA3運用で対応 |
ポーランド入国時、一般的な観光用ドローンであれば特別な申告は不要ですが、機内持ち込みには制限があります。
バッテリーは100Wh以下のものを2〜3本程度に留め、耐衝撃ケースやリポバッグの使用が望ましいです。

CEマーク付き機体が理想ですが、非対応機体はA3カテゴリで飛行しましょう
ポーランドのドローン規制違反時の罰則とトラブル対応
ポーランドでは、ドローンの無許可飛行や安全規則の違反に対し、明確な罰則規定と迅速な行政対応が用意されています。
特に空港付近・人混み・夜間での無許可飛行などは、警察・航空庁(ULC)・軍警察が連携して取り締まる対象となります。
主な違反と罰則の目安
違反内容 | 想定される罰則 |
---|---|
オペレーター未登録・未講習 | 500~1,000 PLNの行政罰金(約2〜3万円) |
登録義務のある機体の未登録 | 1,000 PLN以上(状況によって刑事罰も) |
禁止区域での飛行 (例:空港・軍施設周辺) | 最大5,000 PLNの罰金(10万円以上)+機体押収あり |
他人のプライバシー侵害 (無断撮影など) | 民事訴訟の対象、損害賠償請求あり |
FPV無許可飛行・夜間無灯火飛行 | 最大2,000 PLN(約6万円)の行政罰則 |
検挙時の対応プロセス
ポーランドで違反が発覚した場合、以下のようなフローで取り締まりが行われます。

書類がない場合は即違反扱いに
外国人旅行者にとって特に重要なのが、登録証・講習修了証の携帯です。
スマートフォンのスクリーンショットでも問題ありませんが、紙でも予備を用意しておくとスムーズです。
携帯すべき書類 | 備考 |
---|---|
KSIDオペレーター登録証 | オンラインで即時発行可 |
A1/A3講習修了証 | KSIDポータル上でPDFダウンロード可能 |
パスポート原本 | 警察による本人確認用 |
ポーランドでは「規則を知らなかった」は通用しません。
トラブルが発生した場合は、在ポーランド日本大使館に速やかに連絡しましょう。
📞 +48 22 696 50 00(平日 9:00〜17:00)
地元住民の目線に立ち、慎重かつ丁寧な飛行行動を心がけましょう。
ポーランドで安全にドローンを飛ばすために
ポーランドでドローンを飛ばす際には、EASA共通ルールに加え、ポーランド独自の運用指針や登録制度を理解しておくことが重要です。
オペレーター登録や講習の受講は外国人でもオンラインで対応可能なので、事前準備をしっかり行えば、旅行中でも安心して空撮が楽しめます。
ルールを守って、安全・快適なフライトを満喫してください。
▼参考URL
ポーランド民間航空庁(ULC)公式サイト
EASA(欧州航空安全機関):ドローンの共通ルールと登録要件
ICAO(国際民間航空機関):シカゴ条約・Annex 6 他
ポーランドのEASA施行関連の政令(D2025000017901など)
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