
サウジアラビアのドローン規制ってどうなってるの?

登録や操縦者ライセンスが必須で、違反すると厳しい罰則があるから注意が必要だよ
- サウジアラビアでは、250g以上のドローンはすべてGACAでの登録と操縦者ライセンス取得が必須です。
- 高額な賠償責任保険への加入が義務付けられ、外国人操縦者も対象となります。
- 王宮や宗教施設、石油関連施設周辺など国家的に重要な地域では飛行が全面禁止されています。
※本記事は、2025年9月時点の情報を参考に作成しています。
サウジアラビアのドローン規制について

サウジアラビアでは、ドローンの利用に関して厳格な規制が敷かれており、すべて民間航空総局(GACA: General Authority of Civil Aviation)が管轄しています。
管轄機関 | General Authority of Civil Aviation (GACA) |
所在地 | King Khalid International Airport, Riyadh |
連絡先 | 00966115253333 / 1929@gaca.gov.sa |
公式サイト | https://gaca.gov.sa/ |
適用法令
サウジアラビアでのドローン規制は、民間航空法(Civil Aviation Law, 2005制定)およびGACAが定める無人航空機利用ガイドライン(UAS User Guide for Individuals)に基づいて運用されています。
- Civil Aviation Law
- GACA UAS User Guide(Individuals)
-第177条により、従来の航空機以外の「air vehicles」にも適用
-無許可飛行や禁止区域での飛行は刑事罰の対象
-違法輸送や飛行妨害は懲役刑や高額罰金が規定されている
-登録義務(250g以上)や識別番号ラベルの貼付を規定
-飛行ルール(最大高度120m、目視範囲内、空港から8km以上離れるなど)を明確化
-操縦者ライセンス(RPC)の取得制度を定義
サウジアラビアのオペレーター登録とドローン登録

サウジアラビアでドローンを飛行させるためには、操縦者本人の「オペレーター登録(ライセンス)」と機体の「ドローン登録」の両方が必要です。
どちらも法律で定められた義務であり、未登録のまま飛行すると罰則の対象となります。
オペレーター登録の概要
登録対象 | 250g以上のドローンを操縦するすべての個人 |
登録条件 | 満16歳以上でGACAが実施する試験に合格し、安全要件を満たすこと |
費用 | 数百リヤル程度(申請状況により変動)※1リヤル=約40円(2025年9月時点) |
有効期間 | 3年間(更新可) |
登録方法 | GACAのオンラインポータルから申請 |
付与内容 | Remote Pilot Certificate(操縦者証明書) |
オペレーター登録の流れ

ドローン登録の概要
登録が必要なドローン | 重量250g以上、または250g未満でもカメラやセンサー搭載機しているもの |
費用 | 無料 |
必要書類 | 所有権証明書、シリアル番号、購入証明など |
表示義務 | GACAが発行する固有識別番号を機体にラベル貼付 |
有効期間 | 3年間(登録証明書の更新が必要) |
登録方法 | GACAのUAS Registration Portal または National Platform (my.gov.sa) から申請 |
ドローン登録の流れ


これで「操縦者」と「機体」どちらも正式に登録されて初めて合法的に飛ばせるってことだね
サウジアラビアではドローン保険加入が義務
サウジアラビアでは、250g以上のすべてのドローン操縦者に対して賠償責任保険の加入が義務付けられています。
加入対象 | 250g以上のすべてのドローン操縦者(レジャー・業務問わず) |
最低補償額 | 約100万サウジリヤル以上(およそ3億〜4億円相当)※GACA基準 |
保険範囲 | 対人・対物の第三者賠償責任(施設損害・人的被害) |
外国人操縦者 | 観光客・短期滞在者も加入必須。国際的に有効な保険契約であれば可 |
例外 | 玩具扱いの超軽量機(250g未満かつ情報取集機能未搭載機)は免除対象 |
海外のドローン規制に適合する日本の保険会社
以下の保険会社は、海外飛行に対応したプランがあり、英語証明書の発行など事前確認が可能です。
保険会社名 | 特徴(海外利用の可否など) |
---|---|
東京海上日動 (ドローン保険・海外プラン) | 「海外プラン」ありで、最大10億円補償が可能。海外飛行にも対応できる実績があります。 |
損保ジャパン (SkyLink Japan 取扱) | 賠償責任分で高額補償、修理や申請支援などワンストップ対応が特徴。必要に応じて海外適用の相談が可能です。 |
エアロエントリー (DJI保険) | 「賠償責任保険Cプラン」では海外利用にも対応し、最大10億円までの補償が可能です。 |
GACAが要求する高額補償(例:1億SAR以上)にも対応できる可能性が高いですが、実際に契約時には以下の点を確認してください。
- 補償額がGACAの要件を満たすか(例:最低補償額が明示されているか)
- 海外(サウジ)での飛行にも適用可能か
- 英文・アラビア語の保険証明書が発行可能か
サウジアラビアのライセンス区分

区分 | 重量基準 | 飛行目的 | 飛行区域の制限 | 最低年齢 |
---|---|---|---|---|
レクリエーション | 250g以上のドローン | 個人利用・趣味 | 指定空域内のみ、 人口密集地や空港周辺は禁止 | 16歳以上 |
商用 | 250g以上のドローン | 業務利用(撮影・点検など) | 許可を得た空域に限定、 追加制限あり | |
特殊飛行許可 | 大型・特殊機材(25kg超など) | 研究・産業利用 | 事前申請に基づき個別に許可 |
サウジアラビアのライセンス区分は、主に飛行の目的と機体の重量によって区分されています。
レクリエーションは趣味的利用を前提とし、人口密集地や空港周辺での飛行は禁止です。
商用は業務利用に限定され、申請により飛行可能区域が定められます。
また、特殊飛行許可は大型や産業利用向けで、個別に厳格な審査を経て許可されるのが特徴です。
レクリエーション飛行ライセンスの概要
サウジアラビアでレクリエーション目的のドローンを操縦するには、GACAが発行するRemote Pilot Certificate(RPC)が必要です。
ライセンス名 | Remote Pilot Certificate(RPC) |
必要試験 | オンライン基礎試験 |
試験内容 | ドローン安全規則、飛行禁止区域、最大高度制限、緊急時対応 |
最低年齢 | 16歳以上 |
有効期間 | 3年間 |
更新要件 | 再試験またはオンライン更新手続き |
費用目安 | 無料〜数千円相当(時期や制度により変動) |
試験はオンライン方式で、主に安全規則や飛行禁止区域などの基礎知識が問われます。
更新はオンラインでの再試験を通じて行われ、比較的取得しやすい制度となっています。
ライセンス取得の流れ(レクリエーション飛行)
サウジアラビアにおけるライセンス取得の流れは、以下の通りです。
- GACAの公式ポータルにアクセスし、アカウントを作成
- 必要情報(個人情報・連絡先など)を入力
- ドローン所有者として登録を行う
- オンライン基礎試験を受験し合格する
- 登録料(必要な場合)を支払い申請を完了
- GACAからRemote Pilot Certificate(RPC)が発行される
- RPCの識別番号を所有するすべてのドローンに表示
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サウジアラビアのドローン飛行ルール

サウジアラビアでは、民間航空総局(GACA)が定める厳格な飛行ルールが適用されます。
違反行為は罰金や刑事責任につながるため、観光客を含むすべての操縦者は事前に確認しておく必要があります。
最大飛行高度 | 120メートル以下 |
目視範囲 | VLOS(目視の範囲内)での飛行のみ許可。FPVの場合は補助者必須 |
空港周辺 | 空港・軍事基地から8km以内は飛行禁止 |
人口密集地 | 市街地や人が集まる場所の上空は飛行禁止 |
インフラ周辺 | 石油施設、送電網、王宮、政府関連施設の周辺は全面禁止区域 |
夜間飛行 | 原則禁止。特別許可がある場合のみ可能 |
搭載物 | 危険物や重量物の搭載は禁止 |

特に「王宮・宗教施設・油田エリア」は厳しく規制されているため、観光気分で飛ばすのは絶対NGです
サウジアラビアでは日本人でもドローン飛行できる?

サウジアラビアでは、日本人を含む外国人もドローンを飛行させることが可能です。
ただし、現地国民と同様にGACAの規制に完全準拠する必要があり、観光客や短期滞在者であっても特例はありません。
オペレーター登録 | GACAのRemote Pilot Certificate(RPC)が必須。観光客でも事前取得が必要 |
ドローン登録 | 持ち込んだ機体はGACAのUASポータルで登録し、識別番号を貼付 |
保険加入 | 100万SAR以上の補償額を持つ賠償責任保険に加入必須。外国人にも適用 |
飛行範囲 | サウジ国民と同じルール(高度120m以下・禁止区域の遵守) |
必要書類 | パスポート、ビザ、保険証明書、機体登録証明、操縦者ライセンス |
サウジアラビアでは、入国時には税関で機体情報とシリアル番号の申告が求められ、未登録のままでは没収される場合もあります。
さらに、日本の資格はそのまま通用せず、GACA方式での操縦証明を取得する必要があります。
加えて、保険証書は英語またはアラビア語で提示できなければ認められないため、事前準備が重要です。

「登録・ライセンス・保険」の三点セットがないと、飛行どころか税関で足止めされます
日本からサウジアラビアにドローンを持ち込む際の注意点
サウジアラビアにドローンを持ち込む場合は、空港での税関手続きや輸送ルールに特に注意が必要です。
適切な手続きを怠ると、入国時にドローンを没収される可能性があります。
税関申告 | 機体のシリアル番号と所有者情報を申告する必要あり。未申告は没収のリスク |
バッテリー規制 | 国際線規則に従い、100Wh以下は機内持ち込み可、100〜160Whは航空会社の承認が必要、160Wh超は不可 |
保険証書 | 現地到着時点で有効な保険契約が必須。英語またはアラビア語で提示可能な証書を携帯 |
技術規格 | 通信規格(2.4GHz/5.8GHz)が現地基準に適合していない場合は使用不可 |
輸送方法 | 機体は専用ケースに収納し、プロペラを外して運ぶのが望ましい。 バッテリーは耐火バッグに入れることが推奨される |
特に大都市リヤドやメッカ、メディナなど宗教的・政治的に重要な地域は飛行禁止区域に指定されており、持ち込み自体が疑義を生む場合があります。
そのため、観光目的であっても事前にGACAのポータルで登録を済ませ、保険証書や登録証明の印刷物の携行が安全な対応といえるでしょう。
サウジアラビアのドローン規制に違反した際の罰則

サウジアラビアでは、ドローンの不適切な使用に対して厳格な罰則が科せられます。
違反内容 | 罰則内容 |
---|---|
登録・保険なしでの飛行 | 高額の罰金、機体の没収、飛行資格の停止 |
空港・軍事施設周辺での飛行 | 罰金+刑事訴追の可能性、場合によっては禁錮刑 |
王宮や宗教施設周辺での飛行 | 重大違反として刑事責任、国外退去処分の可能性 |
高度120m超過や夜間飛行(無許可) | 罰金、繰り返し違反は飛行資格剥奪 |
プライバシー侵害・無断撮影 | 罰金、民事賠償請求の対象 |
事故や重大インシデントの不報告 | 罰金+ライセンス更新不可、刑事罰の可能性 |
サウジアラビアは石油施設や宗教施設を含む重要インフラの保護を最優先としており、違反者には外国人観光客であっても厳しい措置が取られます。
軽微な違反は警告で済む場合もありますが、空港周辺や宗教施設での飛行は「国家安全保障上の重大違反」と見なされ、国外退去や刑事処分につながることもあります。
まとめ
サウジアラビアのドローン規制は、GACAによる厳格な管理のもとで運用されており、登録・保険・ライセンスの三点が飛行の前提条件となります。
外国人も例外ではなく、日本からの持ち込み時にも税関申告や保険加入が求められます。
違反行為は高額の罰金や刑事責任につながるため、事前準備と最新情報の徹底確認が安全な空撮につながるでしょう。
▼参考資料URL(公的機関・一次情報)
- General Authority of Civil Aviation (GACA) – Saudi Arabia
- UAS Registration Portal – GACA
- National Platform (my.gov.sa)
- Chicago Convention – ICAO
- Saudi Customs – Official Website
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